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あなたに合った一眼レフカメラと選び方のポイント【徹底解説】

自分の大切なカメラ

カメラを買おうと思って調べたり、量販店に足を運ぶと[センサーサイズ/焦点距離/F値/ISO]など専門用語が並びます。予備知識を付けたとしても、そのような用語を感覚的に理解できる初心者はいません。

そんなカメラ初心者や、カメラの選び方に迷っている人に向けて、用語の説明も交えながら徹底解説していきます。

結論、高価なものを購入しなくても「あなたに合った一台」を見つけられるはずです。また、「初心者にはこれがオススメ!」という言葉には耳を傾けないでください。撮影する回数が増えるほどに誰しも上達して次の機材を考えます。

ぜひ、本記事を参考にあなたに合った一台選び方のヒントにしてください!

カメラに求めるもの

チェックリスト

あなたはカメラに何を求めていますか?

カメラを買う理由
  • 綺麗な写真を撮りたい
  • 一生に一度の思い出を残したい
  • SNSを華やかにしたい
  • 友達がやってるから
  • 写真で生計を立てたい
  • 肉眼で見られない世界を見たい
  • 出かける理由を作りたい
  • オシャレアイテムにしたい
  • レンズ造りやカメラの機械や仕組み自体に興味がある
  • 特に理由がないけどとりあえず

正直色々な話、目的や撮影したいものによって紹介したい商品は異なります。しかし、最初は何でも撮ってみたいと思う方が多いのではないでしょうか?

カメラは機材によって撮影できる写真が異なります。だからといって、必ずしもいい機材を選ぶ必要はありません!

カメラを使う理由やシーンが人それぞれだからこそ、一概におすすめはできません。そのため利用シーンやユーザー属性の系統をいくつか絞って紹介いたします。

カメラを選ぶ際の指標

カメラを選ぶ際には様々な項目があります。購入する際に全て覚えておく必要はありません。

以下にそれぞれの項目を説明いたしますので、私はこれを優先したい!と思って、購入時の参考にしてください。

1.予算(価格)

予算の文字とお金と電卓

カメラはお金を掛けだすとキリがありません。かといって上限を明確に決めると制限を掛け過ぎてしまうのでおすすめいたしません。

低めに大体○万円程度で考えると気楽に決められると思います!

種類(現行機種)平均相場最安価格最高価格
デジカメ
(コンデジ)
2~10万円程度2,178円919,600円
ミラーレス一眼
・APS-C
・マイクロフォーサーズ
7~15万円程度69,300円333,993円
ミラーレス一眼
・フルサイズ
15~40万円程度112,000円2,027,750円
2024年夏季時点

欲しいカメラメーカーによっても掛かるお金が変わってきます。有名で人気なカメラメーカーの方が互換品アクセサリーサードパーティーレンズ(本体と別のメーカーが製造)が多く存在しており、拡張性が高いといえます。

特に一眼レフカメラの場合は、カメラ本体以外にも以下のようなお金が掛かります。

  • カメラレンズ(1万円~100万円台)
  • SDカード(1,000円~30,000円)
  • 三脚(2,000円~10万円台)
  • 防湿庫、防湿材(1,000円程度)

一眼レフカメラにおいてはレンズキット(レンズ付属)はおすすめできませんので、別途レンズ料金を加味してください。レンズキットがおすすめできない理由については本記事のレンズキットってどうなの?に記載しております。

カメラレンズに関しては、カメラを使用し理解するほどに高性能レンズが複数欲しくなると思います。

予算は掛けようと思えばいくらでも掛けられます。勢いで高価な機材を揃える前に、撮りたい写真のために本当に必要かを検討してみてください!

2.新品/中古

カメラやレンズの購入にあたって新品で購入するか、中古で購入するかは永遠の課題です。

新品、中古のどちらにもメリットデメリットが存在しています。まずはそのメリット、デメリットについて述べていきます。

新品中古
購入場所・家電量販店
・カメラショップ
・ネットショッピング
・家電量販店
・カメラショップ
・リサイクルショップ
・ネットショッピング
・フリマアプリ
メリット・安心感がある
・不良品の心配が少ない
・保証が確実に受けられる
・ポイントを得やすい
・付属品等が揃っている
・売却時の査定が高い
・愛着が湧く
・価格が安い
・リセール時の回収率が高い
・高価製品に手が出る
・生産終了商品が購入可能
・付随品とセットの場合がある
デメリット・高価である
・資産価値の減少
・機能が過剰な場合がある
・損傷時のショックが大きい
・古い機種を入手しにくい
・故障時のリスクが高い
・初期不良のリスクがある
・摩耗状態が完全に把握できない
・前ユーザーの管理状態が不明瞭
・シャッター回数が虚偽の場合がある
個人売買の場合メーカー保証対象外になってしまうケースが多いため、フリマアプリは中古のみとします

新品商品では価格を対価として安心や愛着を買うイメージです。逆に中古商品では、安心感を差し置いてでも安く購入できるのがメリットです。

しかし、カメラにも寿命があります。寿命はカメラによって個体差もあれば、機種のよる個体差もあります。使用年数というよりかは、シャッターを下ろした回数とカメラの保存方法にもよります。

適切に保存・使用しているものに関しては、一眼レフカメラで5万~30万回、ミラーレス一眼レフカメラで20万~50万回程度のシャッター回数が目安です。


カメラの知識を明確に理解せずに、新品を購入するとリスクが付き物です。

私のおすすめとしては、初心者が最初に全て新品で揃えてしまうのはお勧めいたしません。
理由としては、

  • 浮いたお金をレンズ等に充てることができる
  • もっと上位機種が欲しくなった際手放しづらくなる
  • 使用後の資産価値が一気に落ちる
  • 安価なものを使用し、知見が広がるとともに本当に欲しいカメラ・レンズが分かる

などが挙げられます。

愛着を気にする方は、カメラ本体は新品、レンズが必要な機種であればレンズのみ中古。特に愛着を気にしない方であればどちらも中古で問題ないと思います。

中古で購入して保証を受けたい場合は、購入した際の証明書があれば受けられる場合もあります。

それぞれのメリットデメリットを重々に理解し、どちらを購入するのか検討してみてください。

3.メーカー

3種類のカメラ

カメラには日本国内を中心に多くの製造メーカーがあり、それぞれに特徴を持っています。

昨今では海外のカメラユーザーの多くも日本製品を使用しています。

以下がデジタル/アナログカメラを製造しているメーカーの一例です。

カメラメーカー一覧

  • SONY(ソニー)
  • Canon(キャノン)
  • Nikon(ニコン)
  • OLYMPUS(オリンパス)
  • FUJIFILM、INSTAX(富士フイルム、インスタックス)
  • LUMIX/Panasonic(ルミックス/パナソニック)
  • PENTAX/RICOH(ペンタックス/リコー)
  • Go Pro(ゴープロ)
  • CASIO(カシオ)
  • Kodak(コダック)
  • EPSON(エプソン)
  • SIGMA(シグマ)
  • WISTA(ウイスタ)
  • RAYNOX(レイノックス)
  • Mamiya(マミヤ)
  • Hasselblad(ハッセルブラッド)
  • Leica(ライカ)

上記のようにカメラを製造しているメーカーは様々ありますが、これらはほんの一部です。

Canon(キャノン)、SONY(ソニー)、Nikon(ニコン)は世界三大カメラメーカーとも称されます。それに加えてOLYMPUS(オリンパス)、FUJIFILM(富士フイルム)、Panasonic(パナソニック)、PENTAX(ペンタックス)を含む7メーカーが現在のデジタルカメラの市場のほとんどを占めます。

現在のカメラ所有率、売上高はともにCanon(キャノン)がトップです。しかし、技術開発力や事業成長率はSONY(ソニー)が圧倒的だといわれています。

プロフォトグラファーの業界ではほとんどがCANON、Nikonを利用されていましたが、最近ではSONYへシフトしている企業も多くみられます。

7メーカーの特徴と適したユーザー

各メーカーの特徴

キヤノン (Canon)

  • 強み: 広範囲の製品ラインナップ、優れたオートフォーカス、色再現が良好。
  • 適しているユーザー: 初心者からプロフェッショナルまで、特にポートレートやスポーツ写真に強い。

ニコン (Nikon)

  • 強み: 高い画質と耐久性、直感的な操作性。
  • 適しているユーザー: 風景や野生生物の撮影が多いアマチュアやプロフェッショナル。

ソニー (SONY)

  • 強み: 革新的なミラーレスカメラ、優れたビデオ性能、高速なオートフォーカス。
  • 適しているユーザー: 動画撮影や高速撮影を好むクリエイター。

富士フイルム (Fujifilm)

  • 強み: ユニークな色再現技術、コンパクトなデザイン。
  • 適しているユーザー: ストリート写真やドキュメンタリー撮影が好きな人。

LUMIX/Panasonic(ルミックス/パナソニック)

  • 強み: 高品質のビデオ撮影能力、マイクロフォーサーズシステム。
  • 適しているユーザー: ビデオ中心のクリエイター、旅行用に小型カメラを求める人。

オリンパス (Olympus)

  • 強み: 軽量でコンパクトなデザイン、優れた画像安定化。
  • 適しているユーザー: 手持ち撮影が多いアドベンチャー愛好家。

ペンタックス (PENTAX)

  • 強み: 防塵防滴性能が非常に高く、メーカー独自の機能などを搭載。
  • 適しているユーザー: 自然が好きで高品質かつ低価格のコスパを求める方。

メーカーの決め方

メーカーを決定する指標として主に以下があります。

  • 予算 / 中古価格(ユーザー数)
  • センサーサイズ、画質、色味、写り
  • 操作性、動画機能
  • 使用シーン(形状・サイズ・堅牢度)
  • レンズラインナップ
  • 編集の有無

今はPCと変わらないクオリティまでスマートフォンで編集ができます。極論どれを使用しても素晴らしい写真は撮影可能ですし、どれを使用しても初心者感のある写真にもなり得ます。

OLYMPUSやLUMIXを使用しているとSONYやCANONの画質の良さや連写性能、ピント性能が羨ましくなります。逆にSONYやCANONなどのプロ機を使用していると、OLYMPUSやLUMIXセンサーの気軽・軽量・望遠性能が羨ましくもなります。

どのメーカーも一長一短です。これからカメラを始めようという方は、アマチュア機からプロ機まで著しい技術開発力や小型軽量化に長けるSONYをお勧めいたします!ユーザー数が多く情報が集めやすいのも利点ですね!

4.撮影したい被写体

三脚を立てて被写体を撮影する

カメラを購入する際に、家電量販店やカメラマンに相談すると「何を撮るの?」と聞かれます。しかし、「綺麗な写真を撮りたい!」と思ってカメラの購入を検討している人のほとんどが「何を撮りたいか」というより「なんでも綺麗な写真を撮りたい」という意向かと思います。

しかし、各カメラメーカーにはそれぞれの強みがあり、差別化が図られています。結論、どのメーカーでも綺麗な写真は撮影できますし、編集で色味の調整も可能です。ただし、各メーカーのサイズ感や性能、発色、写り方などにはそれぞれ微妙に違いがあり、それに適した被写体/撮影シーンがあります。

私個人の意見としては以下がおすすめです。

  • ポートレートメイン > Canon
  • 風景、夜景メイン > Nikon
  • 撮るものが明確でない > SONY

以下にそれぞれ特徴をまとめましたので、シナリオを想定して購入時の検討材料にしてみてください。

各メーカーの適した被写体と特徴

キヤノン (Canon)

  • 適している被写体: ポートレート、スポーツ、野生生物。
  • 特徴: キヤノンのカメラは色彩の再現が非常に自然で、肌色を美しく表現するため、ポートレートに最適です。また、高速オートフォーカスと広いレンズラインナップは、動きの速いスポーツや野生生物の撮影にも優れています。

ニコン (Nikon)

  • 適している被写体: 風景、野生生物、マクロ。
  • 特徴: ニコンのカメラは高解像度のセンサーと広いダイナミックレンジを提供するため、細部の豊かな風景写真や微細なディテールが必要なマクロ撮影に適しています。また、堅牢なボディは野外での厳しい環境にも耐えられます。

ソニー (SONY)

  • 適している被写体: 動画、イベント、スポーツ。
  • 特徴: ソニーのミラーレスカメラは、高速で正確なオートフォーカスと優れたビデオ撮影機能を持ち合わせており、動きのあるイベントやスポーツ撮影、またプロレベルのビデオ制作にも適しています。

富士フイルム (Fujifilm)

  • 適している被写体: ストリート、ポートレート、ドキュメンタリー。
  • 特徴: 富士フイルムのカメラは、独特の色再現とフィルムシミュレーションモードが魅力で、アート性の高いストリートフォトやポートレート、ストーリー性を重視したドキュメンタリー撮影に適しています。

パナソニック (Panasonic)

  • 適している被写体: 動画、ドキュメンタリー、旅行。
  • 特徴: パナソニックのカメラは特にビデオ機能が強化されており、4Kビデオ撮影や映画的なビデオ撮影に最適です。また、マイクロフォーサーズシステムは小型軽量で持ち運びやすく、旅行撮影にも適しています。

オリンパス (Olympus)

  • 適している被写体: 旅行、ハイキング、風景、マクロ
  • 特徴: 防塵防滴や優れた画像安定化機能を備えているため、アウトドアや手持ち撮影が多い場面で強いです。マクロ撮影にも強く、自然のディテールを美しく捉えることができます。

ペンタックス (PENTAX)

  • 適している被写体: 風景、天体、自然撮影
  • 特徴: 堅牢なボディと防塵防滴性能が高いため、厳しい環境下での撮影に適しています。また、天体撮影モードなど、独特の機能を備えており、風景や星空の撮影に強いです。

5.形状(センサーサイズ)

カメラのセンサーサイズは画質に大きな影響を与え、各メーカーによって異なるセンサーフォーマットが提供されています。

ここでは理解を深めるのではなく、以下の図を例にセンサーサイズが大きいほど「繊細で広い範囲で写る」程度で考えてください。

スマートフォンサイズからフルサイズまでのセンサーサイズに関する図
画角について写真を用いた説明

右の写真はフルサイズカメラで16mmの焦点距離のレンズを使用して撮影した写真です。同じ16mmでもセンサーサイズによって、ここまで写る範囲(画角)が変わってきます。

写る範囲(画角)に関してはレンズの焦点距離を変えることで対応が可能です。

また、センサーサイズが大きいほど一般的に画質は良くなりますが、カメラのサイズや重量も大きくなります。そのため、使用シーンや撮影スタイルに応じて適切なセンサーサイズとカメラ形状を選ぶことが重要です。

主要カメラメーカーのセンサーサイズと、それに基づくカメラの形状や特性について説明していきます。

各メーカーの形状とセンサーサイズについて

キヤノン (Canon)

  • センサーサイズ: フルフレーム、APS-C
  • 形状: DSLRとミラーレスカメラの両方を提供。フルフレームモデルはプロフェッショナル向けに高性能で大型、重量があります。APS-Cモデルはよりコンパクトで、初心者やアマチュアに人気。

ニコン (Nikon)

  • センサーサイズ: フルフレーム、APS-C
  • 形状: DSLRとミラーレスの両方があります。フルフレームDSLRは堅牢で大きめのボディが特徴。ミラーレスは比較的軽量でコンパクト。

ソニー (SONY)

  • センサーサイズ: フルフレーム、APS-C
  • 形状: 主にミラーレスカメラを提供。コンパクトでモダンなデザインが特徴で、フルフレームモデルも非常に高性能ながら比較的持ち運びやすいサイズ。

富士フイルム (Fujifilm)

  • センサーサイズ: APS-C、中判
  • 形状: 主にレンジファインダースタイルのミラーレスカメラ。APS-Cモデルは特にコンパクトで持ち運びやすい。中判カメラは高価で大きめですが、画質が非常に高い。

パナソニック (Panasonic)

  • センサーサイズ: マイクロフォーサーズ
  • 形状: ミラーレスカメラが主流。センサーサイズが小さいため、全体的に小型軽量であり、特にビデオ撮影に適した機能を持つモデルが多い。

オリンパス (Olympus)

  • センサーサイズ: マイクロフォーサーズ
  • 形状: ミラーレスカメラのみを提供。小型で軽量なボディが特徴で、持ち運びやすく、アウトドア活動に適しています。

ペンタックス (PENTAX)

  • センサーサイズ: APS-C、フルフレーム
  • 形状: クラシックなデザインで、天候に強い耐久性のあるボディが特徴です。特に風景や自然撮影に適しており、ファインダー内の視認性の高さも強みの一つです。

これらが各メーカーの特徴です。

必ずしもフルサイズだから綺麗な写真が撮れるわけではありませんし、マイクロフォーサーズだから劣った写真になるわけではありません。あくまで、センサーサイズが大きければ編集時の表現の幅が広がるものと思ってください。

もちろんスマートフォンでフルサイズユーザーよりも表現力のある写真を撮影している方もいます。

引き続き、センサーサイズを踏まえた大きさや重さの違いを説明していきます。

6.大きさ重さ

サイズの異なる2台のカメラ

誰だって大きくて重たい荷物を運ぶのは嫌ですよね。カメラも同様で、同じ性能であれば小さくて軽い方が持ち運びも楽で嬉しいって思いませんか?

一眼レフカメラは大きい方が握り易かったり、重量の関係でレンズとのバランスが安定することもあります。また、重たいカメラの方が堅牢度も高く壊れにくい傾向にもあります。

しかし、最初は写真を撮影する楽しさや、出かける際の相棒として気軽に持ち出せることが重要だと思います。本気でF1レースの撮影や天体撮影を考えている場合を除いては、軽量小型が圧倒的にお勧めです。
(ファッションとしても見栄えを気にしなくて済みます)

カメラとセンサーサイズのバランス

各メーカーの形状とセンサーサイズについて

センサーサイズの影響:センサーサイズが大きいほど、一般的に画質が向上し、特に暗い場所でのノイズが少なくなります。大きなセンサーは背景をぼかして被写体を際立たせることも可能です。


カメラの全体的なサイズと重量:センサーサイズが大きいカメラは、そのセンサーを収容するために全体的に大きく重くなる傾向があります。例えば、フルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフは、マイクロフォーサーズシステムよりも重く大きいです。


携帯性と画質のトレードオフ:大きくて重いカメラは画質が良い一方で、持ち運びには不便です。日常的にカメラを持ち歩く場合や旅行で使用する場合は、軽量でコンパクトなカメラの方が扱いやすいかもしれません。


使用するレンズの種類:センサーサイズが大きいカメラ用のレンズもまた、大きく重くなることが多いです。フルサイズ用の高性能レンズは、特に大きく重たい傾向があります。レンズの重量もカメラ選びの際に考慮する必要があります。


撮影環境と目的:撮影する環境や主な被写体によっても、センサーサイズとカメラの重量の選択が変わります。例えば、スポーツや野生動物の撮影では、速いオートフォーカスと高い画質が求められるため、重いカメラでもフルフレームの方が有利な場合があります。

これまでは一般的にマイクロフォーサーズ < APS-C < フルサイズ という順で高価かつ大きく重たい機体という考えでした。しかし、近年ではフルサイズでも小さい機体が出てきています。また、小型軽量のフルサイズレンズのラインナップも続々と出てきています。

それでもやはりマイクロフォーサーズの方がカメラ本体もレンズも安価で小型軽量な傾向にはあります。自分の撮影スタイル被写体、そして持ち運びやすさのニーズを総合的に考慮し、最適なカメラを選ぶことが重要です。

7.画素数

イメージセンサーを用いた画素の説明

スマホのカメラやデジカメでも、1000万画素あるから凄い!みたいな言葉をよく耳にすると思います。しかし、画素数が多い=良いという考えは間違っています

もちろん画素数が多いことでのメリットも数多くあります。しかし、逆に多くのデメリットもあります。それぞれについて紹介いたします。

画素数が多いことのメリット
  1. 高解像度:画素数が多いと、写真に含まれるディテールが増え、より細かい情報を捉えることができます。これは、大判プリントを作成する場合や、写真から一部を拡大してもクリアな画像を保持する際に特に有利です。
  2. 編集の自由度:高画素数の写真は、トリミングや拡大縮小をしても画質の低下が少ないため、写真編集時により多くの選択肢を提供します。写真から特定の部分を切り取っても、まだ十分な解像度を保つことができます。
  3. 細部の鮮明さ:画素数が多いと、細かいテクスチャーやパターンが鮮明に捉えられます。これは建築や風景、ファッション撮影など、ディテールが重要な写真撮影において重要です。
  4. デジタルズームの向上:高画素数のカメラは、デジタルズームを使用した際にも、低画素数のカメラよりも画質が良好に保たれます。これは、特にレンズを変えることなく被写体に近づきたい場合に便利です。
  5. 柔軟な出力オプション:高画素数の画像は、様々なサイズで印刷する際にも、高品質な結果が得られます。大きな看板から小さなフォトブックまで、多様な出力が可能です。
画素数が多いことのデメリット
  1. 画素のサイズ:センサーの大きさが同じであれば、画素数が多いほど一つ一つの画素が小さくなります。画素が小さいと、それぞれの画素が受け取れる光の量が減少するため、暗い場所での撮影時にノイズが増えやすくなります。
  2. 画質の低下:画素数が多すぎると、画像にノイズが多くなったり、色の再現性が低下したりすることがあります。特に低照度の環境では、画質が悪化する可能性が高まります。
  3. ファイルサイズの増加:画素数が多いと、生成される画像ファイルのサイズも大きくなります。これにより、記憶媒体の容量を早く使い果たすことになり、画像の保存や転送にも時間がかかります。
  4. 処理速度の低下:高画素数の画像は処理に時間がかかるため、カメラの反応速度が遅くなることがあります。これは、スポーツや野生動物など動きの速い被写体を連写撮影する際に特に問題になります。
  5. コストと性能のバランス:非常に高画素のカメラは価格が高くなることが多く、すべてのユーザーにとって最適な選択とは限りません。多くの場合、適度な画素数のカメラで十分な画質を得ることができます。

私がメイン機として使用しているカメラはSONYの6100万画素のフルサイズカメラです。その6100万画素を処理するためにメモリーカードだけで6万円、編集用のパソコンにも数十万円上乗せコストが掛かりました。

同じ画素数でもセンサーサイズによって処理レベルが異なりますが、1,500~3,500万画素程度が一般的で扱いやすいレベルです。

センサーサイズ

カメラのセンサーは、写真を撮るための重要な部品で、光を受けて画像に変換します。センサーサイズが大きいほど、一つ一つの画素(ピクセル)が大きくなり、それぞれが多くの光を捉えられるようになります。これは、特に暗い場所で写真を撮るときに役立ちます。大きいセンサーは背景をぼかしやすく、被写体を引き立たせる効果があります。

画素数(ピクセル数)

画素数は、写真の細かさや鮮明さを表す数値です。画素数が多いと、写真はより細かく詳細な情報を含むことができます。これは、大きなプリントを作成する時や、写真から一部を拡大して使いたい場合に重要です。

センサーサイズと画素数の関係

センサーサイズが大きく、それに適した画素数が配置されている場合、一つ一つの画素が大きくなるため、画質が良くなります。しかし、小さいセンサーに多くの画素が詰め込まれると、画素が小さくなり、画質が低下することがあります。特に暗い場所でのノイズ(写真の粒々感)が目立つことがあります。

カメラを選ぶ際は、センサーサイズと画素数のバランスを考えることが大切です。大きなセンサーに適切な画素数があるカメラは、一般的に高画質で、多様な撮影条件に対応しやすいです。

8.ノイズ耐性(ISO)

一眼レフカメラを購入する際に、ノイズ耐性(ISO性能)を考慮することは、暗い環境での撮影品質を大きく左右します。ここでは、その要素がどのように関連しているか、簡単に説明します。

ISOはカメラのセンサーが光をどれだけ効果的に感知できるかを示す数値です。ISO数値を上げると、センサーの光感度が高まり、暗い場所でも写真を撮ることができます。ただし、ISO数値を高くすると、通常は画像のノイズが増え、画質が低下します。大きなセンサーは、高ISOで撮影してもノイズが少なく、画質が保たれる傾向があります。

異なるISOで撮影した4種類の写真

上記の写真で、ISOが高い写真(ISO6400)にザラつきがあるのが分かりますでしょうか。ノイズ耐性の高いカメラではISOを引き上げてもこのザラつきが感じられにくくなります。

ノイズ耐性の考慮点
  • 撮影環境:主に暗い環境で撮影する予定がある場合、高いISO性能とノイズ耐性を持つカメラが望ましいです。例えば、夜景や屋内イベント、ステージパフォーマンスなどの撮影には、この性能が重要です。

  • 画質の優先度:画質を最優先する場合は、大きなセンサーを持つカメラを選ぶと良いでしょう。特にフルサイズセンサーは、優れたノイズ耐性を持ち、高ISO設定でもクリーンな画像を提供します。

  • カメラのバランス:画素数、センサーサイズ、ノイズ耐性を総合的に考慮して、自分の用途に合ったカメラを選ぶことが大切です。例えば、野外での日中のスポーツ撮影など、常に明るい環境での撮影が多い場合は、極端に高いISO性能を優先する必要はないかもしれません。

ノイズ耐性とセンサーサイズは、一眼レフカメラの重要な選択基準です。これらをバランス良く考慮してカメラを選ぶことで、さまざまな撮影環境でのニーズに応じた最適なパフォーマンスを得ることができます。

9.連写性能

連写性能は、カメラが1秒間に何枚の写真を撮れるかを示します。この数値が高いほど、動きが速いスポーツや野生動物、子供やペットなどの撮影に適しています。これにより、一瞬の表情や動作を捉えることができ、ベストな瞬間を逃しにくくなります。

愛犬のちろるです。一瞬一瞬で表情や背景が変わる被写体は連写撮影がおすすめです。

連写性能の考慮点
  • 被写体の種類
    スポーツや野生動物の撮影:これらの撮影では、高速連写が可能なカメラが求められます。動きが速いため、多くの写真を短時間に撮ることで、最高の瞬間を捉える可能性が高まります。
    風景やポートレート撮影:これらの被写体は動かないため、連写速度はそれほど重要ではありません。画質や他の機能を優先して考えることが多いです。

  • バッファ容量:連写をする際、撮影された画像は一時的にカメラのバッファと呼ばれるメモリに保存されます。バッファの容量が大きいほど、一度に多くの写真を連続して撮影できます。バッファがいっぱいになると、カメラは画像をメモリカードに保存するまで次の撮影ができなくなります。連写の多用を考える場合は、バッファ容量も重要なポイントです。

  • カメラの反応速度と処理能力:カメラの全体的な反応速度や処理能力も、連写性能に影響します。これにはオートフォーカスの速さや正確さも含まれ、動きの速い被写体を追い続ける能力が重要になります。

SONYの最新機種だと1秒間に120枚撮影してくれるものもあります。しかし、そこまで必要な人はほとんどいないのではないでしょうか。

私は5枚/秒程度の連写で十分と思うことがほとんどです。しかし、野鳥撮影やスポーツ撮影を行う方は20枚/秒は最低でも欲しいと言います。

連写性能を重視するかどうかは、あなたがどのような被写体をどれだけの頻度で撮影するかによります。動きのあるシーンをよく撮る場合は、高速連写機能を持つカメラが望ましいでしょう。それ以外の場合は、連写速度よりも画質や他の機能を優先してカメラを選ぶと良いかもしれません。

10.AF(オートフォーカス)性能

一眼レフカメラを購入する際、オートフォーカス(AF)の性能を考慮することは非常に重要です。

オートフォーカスは被写体に素早く正確にピント合わせする機能で、撮影の種類や被写体によって異なる性能が求められます。

人や動物を撮影する際は必ず目にピントを合わせる必要があります。そのピントがバチっと決まっているか否かで素人感丸出しの作品にもなり得ます。

愛犬のころんです。一枚目は目にピントが合っているのに対し、二枚目は手前の服にピントが合ってしまっています。自分の狙った位置に正確に素早くピントを合わせることはとても重要です。

ここで、そのようなピント合わせに関するAFの重要な側面をいくつか説明します。

オートフォーカスの重要な特性
  • AFポイントの数と配置:AFポイントは、カメラが焦点を合わせるために使用するセンサーの点の数です。ポイントが多いほど、被写体を捉えやすくなり、特に動いている被写体の追跡が向上します。また、ポイントが広範囲にわたって配置されていると、画面の端にいる被写体にも素早くピントを合わせることができます。

  • AFの速度と精度AFの反応速度は、特にスポーツや野生動物の撮影など、動きの速いシーンで重要です。高速かつ正確なAFは、最適な瞬間を逃さずに捉えることを可能にします。また、低光量環境でのAF性能もチェックする価値があります。

  • AFモードの種類:一眼レフカメラには通常、シングルAF(一点でピントを合わせる)、コンティニュアスAF(被写体が動いても追い続けてピントを合わせる)、オートAF(カメラが被写体を自動的に選択してピントを合わせる)など、複数のAFモードがあります。撮影のスタイルに合わせて、これらのモードを利用できるかを確認してください。

  • ライブビューとビデオ撮影のAF:ライブビュー(液晶画面を使用しての撮影)やビデオ撮影時のAF性能も重要です。特にビデオ撮影では、スムーズで静かなAFが求められます。一部のカメラはこれらのモードでAF速度が低下することがあるため、実際の使用シナリオを考慮して選ぶと良いでしょう。

AF性能を考慮する際は、あなたが最も頻繁に撮影する被写体やシーンを考え、それに適したAF特性を持つカメラを選ぶことが重要です。たとえば、スポーツや野生動物の撮影には高速で正確なAFが、風景撮影には広範囲にわたるピント合わせが効果的です。

最近のカメラでは自動的に目を検出して高速でピントを合わせてくれる機種も出ています(瞳AFといいます)。特にSONYのデジタル一眼レフのAF性能は他メーカーに群を抜いています。

一眼レフカメラにおけるピントは写真を正しく表現するために重要な要素の一部です。思い通りにピントを合わせられるAF性能が付いているカメラの選択が求められます。

高いカメラって何がいいの?

高いお金を払えばいい写真が撮れるのは当たり前!そう思うこともありませんか?

画質が優れていることはもちろんですが、安価な機種でも素晴らしい写真を生み出すことも可能です。

結局お金を費やせば何が得られるのかを、主な点を軸として書き出していきます。

画質と性能:高価なカメラは一般的に高品質のセンサーを搭載しており、暗い環境下での撮影時にもクリアでノイズの少ない画像を提供します。高いダイナミックレンジを持っているため、明るい部分と暗い部分のディテールを同時に捉えることができます。

ダイナミックレンジ:カメラが捉えることができる最も明るい部分と最も暗い部分の間の差のことで、光と影の両方の詳細を失うことなく写真に収めることができます。高いダイナミックレンジでは、編集時の表現の幅も広げられます。

耐久性と堅牢性:プロフェッショナル向けの高価なカメラは、耐候性(防塵・防滴)が高く、厳しい環境でも使用できるように設計されています。また、耐久性のある素材で作られており、頻繁な使用や過酷な条件下でも長持ちします。

AF性能:高価なカメラは、より高度で高速なオートフォーカスシステムを搭載しています。多くのAFポイント、高速追跡、暗い場面での高精度なフォーカスが可能です。

連写速度とバッファ容量:スポーツや野生動物の撮影に適した高速連写が可能で、大量の写真を高速で連続撮影できる大きなバッファを持っています。これにより、逃すことのできない瞬間を確実に捉えることができます。

機能の豊富さ:高価なカメラには、HDR撮影、タイムラプス、多重露光などの高度な撮影機能が含まれていることが多く、創造的な表現がより自由になります。

ビデオ性能:高解像度でのビデオ録画能力や、プロフェッショナル用のビデオ機能(例えば4Kビデオ、ログプロファイル、高速フレームレート)を備えていることがあります。これにより、静止画だけでなく動画撮影にも優れた性能を発揮します。

システムとの互換性:高価なカメラは、豊富なレンズやアクセサリーとの互換性があり、撮影の幅を広げるための多様なオプションが提供されます。


もちろん、お金を掛けられるなら沢山お金を掛けると解決できることも多くあります。しかし、最近のカメラでは安価で高性能なものも数多くあります。

カメラは高くて買えないという認識よりも、安いカメラでも楽しむ方法を考えてみて欲しいと思います。

撮影後の編集(レタッチ)について

パソコンで作業をしている人

デジタル一眼レフカメラを使うなら編集は必須!なんて人もいます。たしかに、パソコンの編集ソフトで撮った写真を編集することで表現の幅が圧倒的に広がります。

そのため、私も初心者の方に編集は必要かを聞かれた場合は、スマートフォンでもできるから一度は経験するべきだと伝えます。

上記が編集前の撮影データと、編集した後の画像データです。光の加減から池の反射まで細かく表現の設定を行うことができます。

JPEG撮って出し(撮影したデータをカメラ内で処理して書出しすること)主義!」なんてこだわりを持つ方もいます。いわゆる編集は加えず、カメラ本体やメーカー由来の設定・色合いで写真を作る方法です。

編集が手間だからJPEG撮って出しスタイルにするのも良し、パソコンで自由な表現を作るのも良しだと思います。

ぜひ他人の意見よりも、あなたがどう表現したいのか?を考えて表現の自由を楽しんでください!

レンズキットってどうなの?

デジタル一眼レフのレンズキット

特によくある一眼レフカメラのカメラボディ+レンズがセットになったレンズキット(エントリーモデル)は、上級者になればなるほど選ぶ人はいません。

特に量販店では、「何でも撮りたいならこれでスタートがおすすめです」と言われますが、カメラの知識が少ない状態でレンズキット(エントリーモデル)の購入はおすすめできません。

これまで数百人の一眼レフユーザーと会いましたが、レンズキットを購入した人ほどすぐにカメラライフを終えてしまうケースが多いように感じます。

理由としては、一眼レフ特融のボケが出にくいこと、撮影時に暗くなり日中野外撮影以外技術を要すること、他レンズに比べて画質が劣ることにあると思います。

最近では綺麗な写真ボケの調整スマートフォンが叶えてくれます。一眼レフカメラを使用するからにはレンズの特性を活かして、とことん表現の幅を広げてください。